AIは苦手克服の味方

先日、ある中小企業の経営者から相談を受けました。

「私はデジタル機器が苦手で、若い社員に頼りっぱなしなんです。AIはもっと難しそうで手が出せません…」

こんな声、意外と多いのではないでしょうか?

スマホの設定に四苦八苦したり、新しいアプリを使うのに緊張したり。デジタルが苦手という方にとって、AIという言葉はさらに遠い存在に感じられるかもしれません。。。

でも実は、こう考えてみてください。

デジタルが苦手な人こそ、AIの恩恵を最も受けられる可能性があるのです。

なぜなら、最新のAIツールは「プログラミングの知識」や「複雑な設定」なしに、あなたの言葉を理解して手助けしてくれるから。つまり、これまでより格段に使いやすくなっているんです。

今日は、デジタルが苦手な方でも明日から使えるAIの活用法について、具体例をもとにお伝えします。

目次

AIはむしろデジタル苦手な人の強い味方になる

「AIはエンジニアやIT専門家のためのもの」

多くの方がこう思い込んでいますが、これは大きな誤解です。。。

実際には、最新のAIツールは「対話型」で設計されており、専門知識がなくても自然な会話で利用できるように進化しています。

例えば、POPやチラシ作りが苦手な方にとって、デザインソフトの操作は大きな壁となっていました。

しかし、Canva AIなどの画像生成ツールは、デザインソフトの操作に慣れていない人でも簡単にポスターやチラシを作成できる機能を提供しています。「セールのポスターを作って」と指示するだけで基本デザインが生成され、微調整だけで済むため、作業時間を大幅に短縮することが可能です。

これは、日本商工会議所の調査でも裏付けられています。調査によれば、中小企業におけるデジタルシフトの主目的として「業務効率化」が最も多く挙げられており(94.1%)、AIを活用することで業務効率化を実現している企業が増えています。特に反復的な事務作業や顧客対応において効果を発揮しているようです(日本商工会議所「中小企業のデジタルシフトに関する調査」より)。

つまり、デジタルが苦手だからこそ、AIによる恩恵が大きいというわけです。

非エンジニアが今日から始められるAI活用ステップ

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

まずは、難しく考えすぎないことです。AIを「万能の魔法」と思わず、「便利な助手」と捉えましょう。

以下の3ステップから始めてみてください:

1. 最も簡単なAIツールから試してみる

ChatGPTやLINEで利用できる「AIチャットくん」などは、登録不要または簡単な操作だけですぐに使えます。

例えば、こんな風に話しかけてみるだけでOK:
「来週の社内会議で5分間話す内容を考えています。SDGsへの取り組みについて、わかりやすい説明と当社でできそうな取り組み例を教えてください」

難しいコマンドや設定は一切不要。日常会話のように質問するだけです。これらのツールは特にデジタル初心者にも適しています。

2. 自分の「困りごと」から始める

AIの可能性を探るより、まず自分の日常の困りごとに使ってみましょう。

例えば:

  • 議事録作成が大変 → 会議を録音し、AI文字起こしツールで自動作成
  • 英語メールの返信に時間がかかる → DeepLやChatGPTで翻訳・文章作成をサポート
  • エクセルの関数がわからない → ChatGPTに「〇〇というデータから△△を計算する関数を教えて」と質問

実際、多くのオフィスワーカーが「エクセルの複雑な関数が苦手で時間がかかっている」という悩みを抱えています。AIに「売上データから月ごとの集計を行う方法」と質問し、具体的な手順を教えてもらうことで、作業効率を向上させることが可能です。経済産業省の調査でも、業務効率化のためのAI活用は特に事務作業において効果的であることが報告されています。

3. 小さな成功体験を積み重ねる

最初から完璧を求めず、小さな成功体験を大切にしましょう。

PwCの調査によれば、生成AIを業務に取り入れる際、「小さな成功体験を積み重ねる」アプローチが効果的とされています。

例えば、医療現場では診療後の簡単なメモ書きをAIに整理してもらうことから始める方法があります。

「今日の患者さんへの説明内容を箇条書きにまとめて」

このようなシンプルな活用から始め、徐々に使い方を広げていくことで、診療計画書の作成や患者向け資料の作成などに応用範囲を広げることが可能です。

AIの不安を解消する「対話型ツール」の考え方

多くの方がAIに対して「難しそう」「使いこなせない」という不安を持っています。

しかし、最新のAIツールは「対話型」つまり会話するように使えるのが特徴です。

従来のソフトウェアは「こちらが操作方法を覚える」必要がありましたが、AIは「こちらの意図を理解してくれる」のが大きな違い。。。

思い出してください。スマートフォンが登場したとき、多くの方が「難しそう」と思ったはずです。しかし今ではお年寄りも含め多くの方が日常的に使っています。AIも同じです。

実際、総務省の調査によれば、日本で生成AIを利用している割合は9.1%と他国より低いものの、「条件によっては利用を検討する」という潜在的ニーズは高いことがわかっています。多くの方がまだ一歩を踏み出せていないだけなのです(総務省「令和6年版情報通信白書」より)。

AIリテラシーの基本:「何をしたいか」から始める

AIを活用する際に大切なのは、「AIに何ができるか」ではなく「自分は何をしたいか」を明確にすることです。

例えば「AIについて勉強したい」と漠然と考えるのではなく、「今週の営業報告書を効率的に作りたい」という具体的な課題から始めましょう。

中小企業庁の調査によれば、介護・福祉業界では人手不足が深刻で、業務効率化が急務とされています。例えば、シフト表作成は施設管理者の大きな負担となっているケースが多いです。

このような場合、「AIでシフト管理ができるか知りたい」という漠然とした疑問から始めるのではなく、「シフト表作成の悩みを解決したい」という具体的な課題からAIを検討すると効果的です。

AI助手に「介護施設のシフト表を効率的に作成する方法」と質問することで、エクセルのテンプレート活用法や自動化の方法など、具体的なソリューションを得ることができます。

AIリテラシーとは、「AI技術の詳細を知ること」ではなく、「自分の課題解決にAIをどう活用するか考える力」なのです。

デジタル苦手だからこそのAI活用メリット

ここまで見てきたように、デジタル機器やITが苦手な方こそ、AIによって大きく飛躍できる可能性があります。

なぜなら:

  1. 複雑な操作を覚えなくても、言葉で指示するだけで使える
  2. 分からないことをそのまま質問できる(使い方も含めて)
  3. 自分のペースで少しずつ試せる
  4. 一度コツをつかめば応用が効く

AIは「新たな壁」ではなく、これまでの「デジタルの壁」を取り払う味方になってくれるのです。

大切なのは、完璧を求めず、小さな一歩から始めること。

明日からでも試せる簡単なAIツールを一つ選び、自分の日常の「困った」を解決するために使ってみましょう。そこからの小さな成功体験が、あなたの仕事や生活を大きく変える第一歩になるはずです。

あなたは、AIをあなたの「苦手克服の味方」にする準備ができていますか?

今日も素敵な1日を。。。


AI活用の第一歩を踏み出したい方へ。未来教育パートナーでは、デジタルが苦手な方向けの「はじめてのAI活用」ハンズオンセミナーを開催しています。実際にAIツールを触りながら、あなたの仕事の困りごとを解決する方法を学べます。AIに関する無料相談も随時受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

一般社団法人 未来教育パートナー
代表理事 甲斐慶彦

マーケティングとAIの掛け算で、事業拡大や業務効率化を支援。
私学の広報支援も手掛け、日本教育を次のステップに進めたい、という情熱のもと当法人を設立。

コメント

コメントする

目次