3月にオープンスクールを実施します。そのワケは…?

先日セミナーにご参加いただいた先生より
「オープンスクールに関してより詳しく知りたい」
というお話をいただきました。

実際、例年春が近づくほどに
「オープンスクールの企画内容をどうするか迷う」
という声をいただきます。

お気持ちはわかります。
少子化、競争激化が進む中で…

「今のままでいいんだろうか?」
「他校はどんなことをしているんだろう?」

こんな疑問を抱えつつ、だからといって現場の先生方から「新しい企画やアイデア」が出るわけでもない。

今この時期
「今年のオープンスクールはどうしよう?」
と考えている学校は多いんじゃないかと思います。

そこで今回は、私たちが支援している学校のオープンスクール実施事例をベースに、オープンスクールに持たせるべき役割や機能のヒントをご紹介したいと思います。

目次

生徒の声をベースにした「オープンスクール戦略」

私たちが支援に入る学校では、
高校1年生に必ずヒアリングを行います。

少なくとも10数人の在学生
高校1年生にヒアリングして、

「昨年、オープンスクールはどこに行きました?」
「その中で、どこが最も印象に残りました?」
「そうじゃない学校はなぜ印象に残らなかったんでしょうね?」

こんなヒアリングをつぶさに行います。
こうすることで、オープンスクールで「良い第一印象」を残す学校の共通点が見えてきます。もっと言うと「ほとんどの学校がオープンスクールを効果的に行えていない」ことも明確になります。

印象に残らないオープンスクールの共通点

では、「印象に残らなかった学校」には何が足りなかったのでしょうか?
ヒアリングで出てくる答えは、だいたい同じです。

「なんか、どこも同じような感じだった」

校舎案内、部活紹介、模擬授業、個別相談会…
やっていることは、どの学校もほぼ同じ。

つまり「自校の紹介」を一生懸命やればやるほど、他校と同質化していく。
残念ながら、この間違いに気づいている学校は、ほとんどありません。

しかも、多くの学校は実施時期も同じです。
オープンスクールを6月くらいに実施…
積極的な学校は8月や9月にも実施する、といった感じでしょうか。

この場合、自学より人気の学校のオープンスクールに行かれてしまうと、その生徒や保護者に自学の魅力を知ってもらう貴重な機会を逃してしまいます。

だから実施時期から変えています。でも、
「実施時期を変えたから」といって
必ずしもうまくいくわけではありません。

なぜ3月に実施すべきなのか?
ここには「時期をズラす」以上の大きな意味があるのです。
今日はこのことについて、深くお話します。

3月にオープンスクールを実施して中学生は集まるのか?

本題に入る前に…
ここまで読んで

「対象となる新中学3年生(実施時は2年生)
 は3月に、本当に集まるのか?」

そう疑問に思う先生も多いはずです。

結論から言うと…
「企画がしっかりしてれば、中学生は集まります」

ここでのポイントは
「自学の紹介」をテーマにしないこと。

多くの学校がオープンスクールを「自学の紹介」として活用します。
でもこの時期に、そういう企画はNG。

3月というタイミング的に、
ターゲットとなる新中学3年生(実施時では2年生)は
進学先に関して、具体的なビジョンは持っていません。

この時期に「自学の紹介」をしようとしても集まらないのは自明の理です。

秘訣は「もっと広いテーマで実施する」こと。

例えば今回実施する事例で言うと…
「自分に合う進学先の探し方・選び方」
これをテーマに3月にオープンスクールを実施します。

実際この時期、中学2年生も、その保護者の親御さんも
「なんとなく」でしか進学先の探し方を知りません。

まして「選び方」なんて全く知らないご家庭がほとんど。
「選び方なんてあるの?」という好奇心を刺激できて、これによって集まります。

オープンスクールの3月実施で得られるもの

今回の事例で言えば、
「探し方、選び方」をレクチャーする特別講義
をメインイベントに据えたオープンスクールになる予定です。

ちなみに、中学1年生も来てOK
ここになぜ3月に先駆けてオープンスクールを実施するかの秘密があります。

「探し方、選び方」をテーマにしながら、
中学生や保護者に
「進学先選びのための『地図』と『コンパス』を渡す」
というイメージで講義を展開するのです。

『地図』は、生徒や保護者の「現在地」を示します。
「今の時期、どうやって進学先を選べばいいかわからないですよね?
 親御さんとしても我が子の進路選び…どうすれば?と
 なんとなく不安なのは自然なこと。大丈夫です、心配はいりません」

そして『コンパス』で、進むべき道を示します
「学校選びは、ここに目を向けるんですよ。
 こうやって学校を比べるんですよ。
 こうすれば自分が行きたい方向性も見つかりますよ。」

こうした講義内容にしています。

私たちはこれを
「進学先選びのモノサシ」を渡す
と表現しています。

『地図』を示すことによって、まず
「あーこの学校は自分たちのことわかってくれてる」と思ってもらえます。
生徒も保護者も「自分(我が子)のことをわかってくれる学校に行きたい」と思うものですから。

そして『コンパス』によって、
「なるほど!こういう視点で自分に合う学校を見つけるんだ」と思ってもらえます。
そして、この『コンパス』に従って学校選びをすると、不思議と「この学校が一番いいかも」と、生徒や保護者に思ってもらえるものになってる。

そんな仕掛けになってます。

どこよりも先んじてオープンスクールをするのは、
この「進学先選びのモノサシ」をどの学校よりも先に渡したいから。

「学校選びの基準」を
自分たちの学校が最も魅力的に見えるモノサシで渡したいから
、なのです。

これは就活市場で、大手企業がすでに広くやってる手法

こうした「先に自分たちが魅力的に見えるようにモノサシを渡す」という戦略は、IT企業やメガベンチャーが広くやっていることです。大学低学年向けにキャリアイベントを開催するとか。

なぜこのやり方が有効かというと…
本格的な「比較フェーズ」に入る前に自社のファンになりやすくしておく取り組みだから。

「働くってこういうこと」「良い会社ってこういう会社」という風に自社に有利な「ものさし」を参加者に渡します。
これによって、自社が魅力的に映るように提示するのです。

「比較フェーズ」に入ると、スペック比較になりやすいからです。
就職市場でいえば「年収」「知名度」「福利厚生」など。資本力やブランド力が高い会社ほど有利な勝負になります。その前に接触できれば、「雰囲気がいい」「自分が成長できそう」という感情面で繋がりができます。しかもこのやり方だと、大学低学年の早期から就職への意識が高い「優秀層」にもアプローチしやすい、というメリットもあります。

幸い、私立学校業界では、こういう勝負を仕掛けてる学校は少ない

そして、私たちの支援学校ではこうした「中長期のファンづくり」をすることによって、底堅い入学者数確保ができています。2025年中途から支援に入っている学校にもこの提案して、今回新たに3月からオープンスクールを実施することになりました。

  1. 自学に有利な「モノサシ」を生徒や保護者に渡せて
  2. 比較フェーズで「スペック比較」される前から魅力的な第一印象を与えられて
  3. 進学意識の高い「優秀層」にも優先的にアプローチできる

さらに、ここに集まった生徒や保護者に対するフォロー体制も構築しているので、ここから他校に流れないような仕組みもできています。

少子化・競争激化時代のオープンスクール戦略

このように私の支援先の学校では、
春だけでなく、夏も、秋もオープンスクールを実施するようご提案します。

そして、春、夏、秋で当然テーマは変わりますし、
1回目参加、2回目参加、3回目参加でも楽しめるような企画にします。

フォロー体制とも相まって、参加回数や接触回数が増えるごとに親近感も共感も持ってもらいやすくなります。結果的に「他の学校よりよく知ってるし」という印象が、「この学校がいいかも」という選択につながりやすくなるのです。

ご覧のとおり、こうした全体像からオープンスクールを実施するからこそ、支援開始スタートから右肩上がりで入学生を増やす、という実績を手にすることができています。

ちなみに、学校経営コンサルティング業界では、志願者数やオープンスクール参加者数の増加を成果として謳うケースが大半。ほとんどの学校経営コンサルティング会社が、取引実績はズラズラ並べるのですが「私立高校の入学者数アップ実績」を謳っているところは確認できませんでした(業界大手でも小学校の1件のみ)。

その一方で、私たちが支援する学校の入学者増加率は、前年比で135%や前年比127%と明確に数字で表せます。そのほうが結果や変化にコミットする姿勢を感じてもらえるからです。

「オープンスクール…何か変えなきゃ」とお考えの先生へ

もし「何か変えなきゃ…」という思いを抱えているなら、実際にオープンスクールの実施方法を見直す時期が来ているのかもしれません。

時代は着実に変わっていて、
それに伴い、生徒や保護者の意識も変わっています。

そんな生徒や保護者にマッチするオープンスクールを実施できれば、御校の入学者数アップに着実に貢献してくれるでしょう。

また別の記事で、「夏のオープンスクールで効果的な企画」や「秋のオープンスクールで持たせるべき役割」等について取り上げたいと思います。

更新日は未定ですが、「もっと早く知りたいよ!」という学校があれば、遠慮なくお問い合わせください。

今後も、学校経営を改善するための具体的かつ有益な情報発信をしてまいります。

この記事のまとめ

私立学校のオープンスクール戦略について、3月実施の効果的な手法を解説。従来の「自学紹介」中心から脱却し、「進学先の探し方・選び方」をテーマにした講義を実施。中学2年生に「進学先選びのモノサシ」を他校より先に提供することで、比較検討フェーズ前にファン化を図る。IT企業の採用手法を応用したこの戦略により、支援校では入学者数が前年比127-135%増加を実現している。

よくある質問

企画がしっかりしていれば中学生は集まります。重要なのは「自学の紹介」をテーマにしないこと。3月の時期は新中学3年生(実施時は2年生)はまだ具体的な進学ビジョンを持っていないため、「自分に合う進学先の探し方・選び方」など、もっと広いテーマで実施することが効果的です。
多くの学校が校舎案内、部活紹介、模擬授業という同じような内容で同質化しています。差別化のポイントは実施時期を変えることと、「自学の紹介」ではなく「進学先選びのモノサシを渡す」というコンセプトで企画することです。生徒や保護者に『地図』と『コンパス』を提供し、自校が魅力的に見える基準を先に渡すことが重要です。
一般的には6月、8月、9月に実施する学校が多いですが、差別化のためには3月からの実施をおすすめします。3月は他校より先んじて「進学先選びのモノサシ」を渡せるタイミングで、本格的な比較フェーズに入る前に自校のファンを作ることができます。春、夏、秋と複数回実施し、それぞれ異なるテーマで展開するのが効果的です。
参加者に対するフォロー体制の構築が重要です。1回目、2回目、3回目の参加でも楽しめるような企画にし、参加回数や接触回数が増えるごとに親近感と共感を持ってもらいます。結果的に「他の学校よりよく知っている」という印象が「この学校がいいかも」という選択につながりやすくなります。
単純な参加者数の増加だけでなく、最終的な入学者数の増加で成果を測定することが重要です。志願者数やオープンスクール参加者数の増加を成果とする場合が多いですが、実際の入学者数の前年比での増加率(135%や127%など)で明確に効果を数値化することで、真の成果を把握できます。
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この記事を書いた人

一般社団法人 未来教育パートナー
代表理事 甲斐慶彦

マーケティングとAIの掛け算で、事業拡大や業務効率化を支援。
私学の広報支援も手掛け、日本教育を次のステップに進めたい、という情熱のもと当法人を設立。

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