おはようございます。未来教育パートナーです。
先日、ある経営者の方から相談を受けました。
「AIを使って顧客分析を効率化したいんだけど、個人情報の扱いが心配で…」
実は最近、こういった相談が急増しています。
みなさんも心当たりがありませんか?
メールの要約をAIにお願いしたり、
顧客リストを分析させたり、
社内資料を読み込ませたり…
便利だからついつい使ってしまう。
でも、ふと不安になる。
「この情報、大丈夫かな?」って。
知らないと怖い、AIの仕組み
ここで、多くの人が見落としている事実をお伝えします。
AIに入力した情報は、外部のサーバーに送信される
当たり前のようで、意外と意識していない人が多いんです。
2023年3月、韓国のサムスン電子で
こんな出来事がありました。
社員が業務でChatGPTを使い、
社内のプログラムコードや会議内容を入力。
その結果…
機密情報が企業の管理できない場所に
保存されてしまったのです。
一度送信してしまった情報は、
もう取り戻せません。
「それって、ChatGPTが悪いんじゃ…」
いえ、そうとも言い切れないんです。
本当の脅威は、もっと身近にある
シンガポールのセキュリティ企業が
衝撃的な調査結果を発表しました。
なんと10万件を超えるChatGPTのアカウント情報が
闇市場で売買されていたというのです。
日本からも約700件…
でも、これはChatGPTのシステムが
ハッキングされたわけではありません。
原因は利用者のパソコンやスマホが
ウイルスに感染していたこと。
つまり…
AIを安全に使うためには、
まず自分のデバイスを守ることが大前提なんです。
あなたの「普通の情報」が語るもの
ここで、少し昔の話をさせてください。
アメリカの大手スーパー、ターゲットで
起きた実話です。
ある日、高校生の娘宛に
妊娠関連商品のクーポンが届きました。
激怒した父親がクレームの電話を…
ところが後日、
購買データの分析は正確だったことが判明。
娘は実際に妊娠していたのです。
これ、AIが普及する前の話なんです。
今はどうでしょう?
もっと高度な分析技術があり、
もっと多くのデータが集まっています。
あなたの検索履歴、
購買パターン、
移動履歴…
これらを組み合わせると、
生活習慣から健康状態まで、
驚くほど正確に推測できてしまうのです。
だからといって、使わないのは損
「じゃあ、AIは危険だから使わない方がいい?」
それは違います。
車だって最初は「危険な鉄の塊」と
言われていました。
でも今では、なくてはならない存在です。
大切なのは、正しい使い方を知ること。
今日から実践できる4つの守り方
1. 名前や住所は「XXX」に変える
個人を特定できる情報は、
入力前に記号に置き換える。
単純だけど、最も確実な方法です。
2. 学習機能をオフにする
ChatGPTなら設定画面から
「Chat history & training」をオフに。
入力内容が学習に使われなくなります。
3. ビジネス向けサービスを選ぶ
ChatGPT Enterpriseや
Azure OpenAI Serviceなど、
企業向けのセキュアなサービスがあります。
4. 社内ルールを明確にする
「顧客の実名はNG」
「売上データは数値のみOK」など、
具体的で分かりやすいルールを作りましょう。
最後の砦は、あなたの「3秒ルール」
でも、どんなに対策をしても、
技術だけでは限界があります。
そこで提案したいのが「3秒ルール」。
AIに何か入力する前に、
たった3秒でいいので考えてみてください。
「この情報が外に出たら、困るかな?」
この一瞬の「間」が、
取り返しのつかない失敗を防ぎます。
新しい時代の「読み書きそろばん」
江戸時代、読み書きそろばんができることが
生きる力でした。
令和の今、それに加えて必要なのが
「AIリテラシー」です。
どの情報なら共有してもいいのか。
どんな設定で使うべきなのか。
どのサービスが信頼できるのか。
これらを理解し、実践できる人が
AIの恩恵を最大限に受けられます。
恐れる必要はありません。
でも、無防備ではいけません。
正しい知識と、ちょっとした注意。
それだけで、AIはあなたの強い味方になります。
あなたは今日から、
「3秒ルール」を実践できますか?
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